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鼓ヶ滝

(つづみがたき)

鼓ヶ滝は、熊本県熊本市西区河内町野出に位置し、歌枕としても広く知られる美しい滝です。この滝は、金峰山県立自然公園を流れる河内川にあり、金峰山の西麓、河内町野出地区と松尾町平山地区の境付近に位置しています。滝は、向かって右側が「男滝」、左側が「女滝」と呼ばれ、滝の南側には「歌詠場」と名付けられた平坦な岩場も存在します。

景勝地「肥後耶馬渓」の見所の一つであり、熊本市の「水遺産」に登録されています。また、「熊本県平成の名水百選」の第1番にも選定されています。

名前の由来と歴史

『肥後国誌』によれば、滝の水音が鼓の音に似ていたことから「鼓ヶ滝」という名が付けられたと伝えられています。また、平安時代の歌人である檜垣がこの滝を見て詠んだ歌や、清少納言の父である清原元輔がこの滝を訪れた際の逸話も残されています。特に、『拾遺和歌集』に収録された有名な和歌は、滝の美しい風景を称えるものとして知られています。

檜垣の詠んだ歌

平安時代の女流歌人・檜垣が詠んだとされる和歌には次のようなものがあります。

「音にきくつゝみが瀧をうちみれば たゝ山川のなるにそ有ける」

これは、鼓ヶ滝の美しい音と景色を詠んだ歌として知られています。また、清原元輔もこの滝を訪れ、法師が同様の歌を詠んだと伝えられており、『拾遺和歌集』にも収録されています。

鼓ヶ滝の自然美と景観

滝の景観と周辺スポット

鼓ヶ滝は、幅・高さともに約10メートルの大岩から河内川に流れ落ちる滝です。滝は金峰山県立自然公園内の渓谷「肥後耶馬渓」に位置し、豊かな自然に囲まれています。滝つぼの風景は、写真愛好家にも人気があり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。また、滝のすぐ近くにある岩場は「歌詠場」として知られており、古くから多くの人々に親しまれてきました。

熊本市の水遺産と名水百選

鼓ヶ滝は熊本市の「水遺産」にも登録されており、環境省が認定した「平成の名水百選」に選ばれた金峰山湧水群の一部としても評価されています。滝周辺には豊かな湧水があり、金峰山湧水群を訪ねることもできます。清らかな水が四季折々の自然を映し出し、訪れる人々に癒しを与えています。

鼓ヶ滝の伝説と歴史的背景

鼓ヶ滝には、その名の由来となった鼓の音に似た水音の伝説があります。滝から流れ落ちる水が洞内でこだまして、ポンポンと鼓のような音を響かせていたことから、この名が付けられました。この滝は、平安時代の歌人である檜垣や、清少納言の父・清原元輔らが訪れ、和歌に詠まれるなど、古くから文人たちに愛された場所です。

歌詠場の存在

滝の南側には「歌詠場」と呼ばれる場所があり、ここは詩歌を詠むための場所として歴史的に有名です。滝の美しい景色と響く水音は、詩人や歌人たちのインスピレーションを刺激し、数々の名作を生み出してきました。

清原元輔と鼓ヶ滝

『拾遺和歌集』には、清原元輔が肥後国司として鼓ヶ滝を訪れた際の逸話が残されています。この時、元輔は法師に詠んでもらった和歌として、次の歌が記されています。

「おとにきくつづみのたきをうちみれば ただ山川のなるにぞありける」

この和歌は、滝の風景を詠んだものとして、後世に語り継がれています。

鼓ヶ滝へのアクセス情報

周辺の観光スポット

鼓ヶ滝の周辺には、金峰山カルデラの渓谷を楽しめる「肥後耶馬渓」があります。この地域は、滝や渓流が点在する美しい景勝地で、特に秋には紅葉が見事です。また、少し足を伸ばすと、環境省認定の「平成の名水百選」に選ばれた金峰山湧水群もあり、清らかな水の美しさを堪能できます。

まとめ

鼓ヶ滝は、熊本市の金峰山県立自然公園内に位置し、自然美と歴史が融合した魅力的な観光スポットです。平安時代から文人たちに愛されたこの滝は、その美しい風景と鼓の音のような響きで知られています。滝の周辺には、景勝地「肥後耶馬渓」や名水百選に選ばれた湧水群もあり、自然と歴史を満喫することができます。ぜひ一度、鼓ヶ滝の静かな美しさを感じに訪れてみてください。

Information

名称
鼓ヶ滝
(つづみがたき)

熊本市・山鹿・菊池

熊本県