お土産に、お茶のお供に、熊本名物「いきなり」団子
輪切りにしたさつまいもと餡を小麦粉の生地で包んで蒸し上げる、熊本県に昔から伝わる素朴な味わいの郷土菓子。名の由来は短時間で作れる意で「いきなり」作れるという説と、生の芋を調理することから「生き成り」といった説が存在し、繁忙期の農家のおやつとしてうまれた料理とされる。戦後、食糧難の際には餡を入れない「いきなりだご」が多く振る舞われたと言われる。今では熊本県おふくろの味として、おやつに定番の一品として、全国各地の物産展などで大人気。
「生のさつまいもをいきなり包んで団子にする」ことが名前の由来となっている。突然来た客をもてなしする際等に出す料理。さつまいもは食物繊維が豊富な上に、ビタミン・カロチン・ミネラルも多く含む緑黄色野菜である。
小麦粉などで作った生地に、輪切りしたさつまいもとあんこを包んで蒸す郷土菓子。「いきなり」とは熊本県の方言で、「直ぐに」ということを意味する。
「いきなり団子」は、小麦粉やもち粉で作った生地で、中にはからいも(さつまいも)とあんが詰まった素朴な甘味のお菓子です。熊本県のさつまいもは、「からいも」とも呼ばれ、特に阿蘇外輪の周辺地域で栽培が盛んです。火山灰の排水性が地域に影響を与え、さつまいもの栽培に適しています。
もともと、いきなり団子は秋にさつまいもが旬の時期に食べられていましたが、最近では冷凍品も出回り、年間を通して楽しむことができます。熊本では、方言で「だんご」を「だご」と呼び、「いきなりだご」とも呼ばれています。
歴史と文化に関連する行事として、名前の「いきなり」は、熊本弁で「簡単で手早く、すぐに」といった意味で、短時間で簡単に作ることができ、急な訪問客にもすぐに提供できることから名づけられました。昔は米が貴重であったため、生地は小麦粉だけで作られたり、中身がさつまいもだけだったりと、現在よりも簡素なものでした。現在は、もち粉で生地を作り、中には小豆あんが入ったものが主流で、さつまいものほくほく感、小豆あんの甘さ、もちもちとした生地の塩味が絶妙に組み合わさり、人気を集めています。
熊本県では古くからさつまいもの栽培が行われ、さまざまな料理が生まれ、食文化が受け継がれています。例えば、さつまいもを千切りにして小麦粉で衣をつけて揚げた「がねあげ」や、蒸したさつまいもを餅と組み合わせ、きなこをまぶした「ねったぼ」などがあります。
いきなり団子は、秋のさつまいも収穫作業の合間におやつとして楽しまれ、家庭でもさつまいもが旬の時期に作られていましたが、現在では専門店、和菓子店、露店などで広く販売され、日常的に楽しむことができます。その伝統的な優しい味わいは、お茶うけや子供のおやつとして非常に人気があります。最近では、生地によもぎや黒砂糖を混ぜたり、きなこをまぶしたり、具に紫いもや栗、くるみを追加したりするバリエーションも増えています。
製造方法は、小麦粉、もち米粉、塩、砂糖を混ぜて柔らかい生地を作り、からいも(さつまいも)の輪切りと小豆あんを包んで蒸すという手順です。
【歴史・由来】
その名の由来は、突然(いきなり)の来客があっても、すぐ作れてもてなせる団子であるためとされる。
【食べるシーン】
お菓子として、来客時のもてなし菓子として日常的に食されている。
【作り方】
・小麦粉、砂糖、塩、ぬるま湯を加え混ぜ合わせた後に寝かせる。
・生地に輪切りしたさつまいもとあんこを包んで、蒸したら完成。
【提供店】
熊本県内の和菓子屋や農産物直売所など