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熊本県伝統工芸館

(くまもとけん でんとう こうげい かん)

熊本県伝統工芸館は、熊本市中央区に位置する公立の文化施設であり、1982年(昭和57年)に開館しました。熊本県内の伝統工芸品を中心に展示しており、肥後象嵌(ひごぞうがん)や陶磁器、刃物、竹製品、染織物など、県の誇る技術と文化を継承しています。この施設では、工芸品の展示のみならず販売も行われており、その収益の一部は地元の伝統工芸品の保護と発展に使われています。

展示内容

熊本県伝統工芸館の展示は、熊本県の豊かな歴史と文化が育んだ伝統工芸品に焦点を当てています。肥後象嵌をはじめ、木工品、竹工品、陶磁器、郷土玩具、刃物など、県の指定を受けた90品目の工芸品が一堂に会しています。これらの工芸品は、長い歴史を持つ熊本の暮らしと文化に深く根ざしており、実際に使用されてきたものばかりです。

常設展示室

館内には常設展示室があり、ここでは展示品に触れることができる珍しい体験が可能です。実際に工芸品を手に取ることで、その精巧な技術と美しさを直に感じることができます。また、常設展示室では、工芸品の製作過程や歴史的な背景についても紹介しており、訪れる人々にその価値を深く理解してもらうことを目指しています。

貸し展示室

熊本県伝統工芸館には5つの貸し展示室もあり、これらのスペースでは週替わりで様々な催しが行われています。地元の工芸作家による展示会や、特別展示、ワークショップなど、来館者に常に新しい発見を提供しています。これらの催しは、地元の工芸文化をさらに盛り上げ、次世代への継承を支える重要な役割を果たしています。

ユニークな郷土玩具の展示

熊本県の伝統工芸品の中でも、特にユニークで愛らしい郷土玩具が展示されています。たとえば、「彦一こま」や「おばけの金太」、「木葉猿」、「きじ馬」など、熊本ならではの郷土玩具は、そのユニークなデザインと深い文化的背景で多くの人々に愛されています。これらの郷土玩具は、地元の人々の生活に密着した遊び道具として古くから親しまれており、現在も多くの人々にその魅力が再評価されています。

肥後象嵌

熊本県の伝統工芸品の中でも特に知られているのが、肥後象嵌です。肥後象嵌は、金属の表面に細かい模様を彫り、そこに金や銀などをはめ込む技法です。その繊細で美しい仕上がりは、日本国内外で高く評価されています。熊本県伝統工芸館では、この肥後象嵌の技術と歴史を詳しく紹介し、その精巧さを間近で見ることができます。

施設の構造

1階: ミュージアムショップ

施設の1階には、ミュージアムショップがあり、ここでは熊本県の伝統工芸品が販売されています。このショップでは、肥後象嵌や木工品、郷土玩具などを購入することができ、地元の工芸品を日常に取り入れる機会を提供しています。また、購入した商品の売上金の一部は、地元の伝統工芸品を支援するために使われています。

2階: ギャラリー

2階にはギャラリーが設置されており、ここでは地元の工芸作家による展示会や特別展が行われています。ギャラリーは自由に見学することができ、地元の芸術家や職人の新作や伝統技術を学ぶ絶好の場となっています。展示内容は定期的に入れ替わるため、何度訪れても新しい発見があるのが魅力です。

交通アクセス

熊本県伝統工芸館へのアクセスは非常に便利です。熊本市電A系統・B系統の「熊本城・市役所前」停留場から徒歩10分ほどの距離にあり、また、熊本桜町バスターミナルからも、九州産交バスを利用して「家庭裁判所前」停留所で降りるとすぐです。車を利用する場合も、九州自動車道の熊本インターチェンジから約8.6kmと、アクセスが良好です。

まとめ

熊本県伝統工芸館は、熊本の豊かな伝統と文化を継承し、次世代へと伝える重要な施設です。工芸品に直接触れることができる常設展示室や、地域の工芸作家たちによる展示会が行われるギャラリー、郷土玩具や肥後象嵌など、熊本県の魅力的な工芸品が揃うミュージアムショップなど、訪れる人々に多彩な体験を提供しています。また、その売上金の一部が工芸品の保護と発展に使われていることから、地域社会への貢献も大きな特徴です。

Information

名称
熊本県伝統工芸館
(くまもとけん でんとう こうげい かん)

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