熊本市現代美術館は、熊本県熊本市中央区にある市立の美術館です。英語表記は「CAMK」。九州で唯一「現代」を冠する美術館であり、熊本市の中心市街地に位置するびぷれす熊日会館の3階に設置されています。
熊本市現代美術館は、熊本市の交通量の多い交差点に位置し、ジェームズ・タレル、マリーナ・アブラモヴィッチ、草間彌生、宮島達男といった国際的に活躍する現代美術家たちによるインスタレーション作品が恒久的に展示されています。これらの作品はいつでも見ることができ、多様な現代美術の体験が可能です。
また、数千冊の本が自由に読める「ホームギャラリー」や、子育ての相談ができる「まちなか子育てひろば」など、メインの展覧会場以外は全て無料で利用できます。待ち合わせや休憩場所としても市民に親しまれています。2009年には、写真家・荒木経惟が撮影した熊本で募集した母親と子供の母子ヌード写真集『熊本ララバイ』が展示されました。
メインギャラリー、ギャラリーⅢ、井手宣通記念ギャラリー、ホームギャラリー、アートスカイギャラリー、子育てひろば、ミュージアムショップなどがあります。
アートロフト、キッズファクトリーがあります。
ジェームズ・タレル(James Turrell)
1943年、アメリカ・ロサンゼルス生まれ。光のアーティストとして知られ、目だけでなく五感に響く神秘的な空間を創り出すことを得意としています。当館では、ホームギャラリーに光の天蓋を設置し、「光の図書館」を演出しています。
マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)
1946年、旧ユーゴスラヴィア・ベオグラード生まれ。コミュニケーションの意味を問うパフォーマンスやインスタレーションで広く知られています。当館では、寝ることもできるユニークな本棚をホームギャラリーに設置しています。
草間彌生(Yayoi Kusama)
1929年、長野県生まれ。1960年代以降、ニューヨークをはじめとする世界各国でドット・ペインティングや前衛的なパフォーマンスを展開しています。当館では、階段下に「ミラールーム」を設置し、建物の内部にもうひとつの世界を創り出しています。
宮島達男(Tatsuo Miyajima)
1957年、東京都生まれ。発光ダイオードが数字を刻むように点滅する作品で独自の世界観を表現しています。当館では、エントランスロビーの中心に発光ダイオードの光の柱を設置し、美術館の「鼓動」を象徴する作品を展示しています。
熊本市現代美術館では、展覧会や美術のワークショップなどのほか、毎日19:00からはホームギャラリーでボランティアによるピアノコンサートが開催されています。また、毎週月曜日には映画上映会が行われ、その他にも各種コンサート、詩の朗読会、絵本の読み聞かせや人形劇など、様々な活動が行われています。
さらに、美術館での活動以外にも、学校での出張ワークショップ、街中でのアートプロジェクト、まちづくりを考える研究会など、幅広い活動が行われています。
熊本出身の生人形作家である松本喜三郎や安本亀八を中心に、開館前から研究が続けられており、当時は芸術と見なされていなかった生人形に光を当てました。また、ハンセン病療養所、漫画、メディアアート、ファッションなど、現代の視点から古いものから新しいものまでを歴史の中で検証し、紹介しています。最近では「ミュージアムIPM」にも力を入れています。
2014年6月、日本で初めて、美術館内に児童福祉法上の「地域子育て拠点施設」として「まちなか子育てひろば」を設置しました。10:00~15:00までは子育てアドバイザーが常駐しており、子どもを遊ばせながら気軽に子育ての相談をすることができます。
熊本市電A系統・B系統「通町筋停留場」よりすぐ。熊本桜町バスターミナルからは、産交バス、熊本電鉄バス、熊本バス、熊本都市バスの各路線で「通町筋バス停」下車すぐの場所にあります。また、九州自動車道「熊本インターチェンジ」からは7.8㎞です。