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金峰山(熊本県)

(きんぼうざん)

金峰山は、熊本県熊本市西区に位置する標高665メートルの一ノ岳を中心とするカルデラ式火山です。このページでは熊本県にある金峰山について詳しく説明します。

概要

金峰山は一般的には「一ノ岳」を指しますが、これは中央火口丘であり、熊ノ岳(二ノ岳とも呼ばれる標高685メートル)や三ノ岳(681メートル)、荒尾山(445メートル)など、外輪山を含む火山全体の総称です。これらの外輪山には、河内山、小萩山、花岡山、独鈷山、さらに少し離れた場所にある立田山なども含まれます。

この火山は阿蘇山よりも古いもので、100万年以上の時間をかけて徐々に形成されました。約56万年前から50万年前に火山活動が活発化し、その際に現在の二ノ岳や三ノ岳が誕生しました。最後の噴火は約20万年から15万年前に発生し、その後一ノ岳として知られる溶岩ドームが形成されました。

熊本市民に親しまれる山

熊本県のシンボル的な存在として阿蘇山が広く知られていますが、金峰山は熊本市民にとっての象徴的な山です。市民に親しまれ、特に熊本城天守閣からもその姿を眺めることができます。

山頂の展望と名所

金峰山の山頂には展望台があり、天気が良い日には有明海や佐賀平野、島原半島、天草諸島まで一望できます。また、熊本市街の夜景を楽しむこともできる場所として人気です。

さらに、山中には多くの名所があります。例えば、巨石群である拝ケ石巨石群は宗教遺跡とされています。また、宮本武蔵が籠もって「五輪書」を記したことで知られる霊巌洞(岩戸観音)や五百羅漢のある雲巌禅寺もあります。さらに、夏目漱石の小説『草枕』に登場する「峠の茶屋」なども見どころです。

歴史的名所

金峰山の東側の麓には、宮本武蔵に関連する美術品を展示する島田美術館や、加藤清正の菩提寺である本妙寺などもあります。これらは熊本の歴史や文化を知る上で重要な場所です。

自然公園と観光

金峰山一帯は金峰山県立自然公園に指定されており、周囲には公園や観光農園が点在しています。また、二ノ岳、三ノ岳、小萩山などへのハイキングコースや登山道が整備されており、自然を楽しむ人々にとっても人気のエリアです。

金峰山の斜面は主に広葉樹林で覆われていますが、有明海に面する西斜面では河内みかんの栽培が行われています。みかんを運ぶためのミニモノレールも、斜面に沿って設置されています。

山頂の放送局

金峰山は、有明海やその周辺地域を見渡せるため、山頂にはテレビやラジオの放送所が設置されています。また、警察庁の業務無線局やマルチチャネルアクセス無線システムも稼働しています。

金峰山の呼称

古くは「飽田山」と呼ばれていた金峰山ですが、奈良県の吉野地方にある金峰山(きんぷせん)から勧請された金峰山神社が山頂に建立された後、「金峰山」と呼ばれるようになりました。文献によっては「金峯山」と表記されることもあり、古くは「きぼうさん」とも呼ばれていました。

現代の呼称

観光ガイドブックや道路標識では「Mt. Kinpo」や「Kinpozan」と表記されることが多いですが、地元の河内地区では「きんぼうざん」と呼ばれています。実際、河内小学校の校歌でも「きんぼうざん」として歌われています。

熊本テレビ・FM放送所

放送局の歴史

金峰山の放送局は、地元熊本県だけでなく有明海沿岸の広い地域に電波を届けています。かつて、佐賀県ではサガテレビ開局前に、熊本のRKKが佐賀県向けの広報番組を放送していた時期もありました。

1991年から2000年にかけて、雲仙岳の噴火の影響で長崎県島原市にあった島原中継局の運用が停止された際、金峰山に臨時中継局が設置され、島原地区向けに放送が行われたこともありました。

RKKのFM補完中継局

RKKのFM補完中継局は、2015年9月に予備免許が交付され、2016年3月から試験放送を開始し、同年5月には本放送が開始されました。

交通アクセス

金峰山へのアクセスは、熊本桜町バスターミナルから九州産交バス河内温泉行に乗車し、「峠の茶屋」停留所で下車するのが便利です。また、車では九州自動車道熊本インターチェンジから約20キロメートルの距離です。

一時期、九州産交バスは「金峰山1日フリー乗車券」を発行しており、熊本交通センターから山中の路線を自由に乗降できるサービスがありましたが、2015年3月31日をもって販売が終了しました。

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金峰山(熊本県)
(きんぼうざん)

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