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玉東町

(ぎょくとうまち)

玉東町は、熊本県の北部に位置する町であり、玉名郡に属しています。この町は「みかんと史跡の里」というキャッチフレーズの通り、みかんをはじめとして、梨やスモモといった果物の栽培が盛んに行われています。また、西南戦争の激戦地としても知られ、町内には数多くの史跡が残されており、歴史的にも重要な地域です。

歴史的背景と町並み

木葉山の麓には古い町並みが残り、その一角にある木の葉猿窯元では、素朴な猿の置物が焼かれています。この置物は、古くから厄除けや安産祈願の象徴として大切にされてきました。また、明治10年(1877年)におこった西南戦争では、玉東町は激戦地となり、町内には多くの戦跡が残されています。

玉東町の名所・観光スポット

吉次公園

玉東町には、自然と歴史を感じられる公園が多く存在します。吉次公園は、その中でも桜が美しいことで知られています。公園内は旧吉次往還の南側に位置し、春には一面に咲き誇る桜が訪れる人々を魅了します。また、芝生広場が広がり、行楽シーズンにはピクニックに訪れる家族連れでにぎわいます。周辺は、西南戦争の激戦地でもあり、関連する石碑が点在しており、歴史を感じることができるスポットです。

半高山公園

玉東町南部にある半高山は、標高294メートルの小高い山です。山頂からは、有明海や阿蘇の美しい景色をパノラマで楽しむことができ、車でのアクセスも可能なため、訪れる価値のある場所です。山麓には広大な芝生広場が広がり、家族でのピクニックや散策に最適な場所です。桜の名所としても有名で、春には多くの観光客が訪れます。さらに、この地域は西南戦争の舞台となった歴史的な場所で、半高山古戦場としても知られています。

横平山公園

横平山は玉東町の東側、二俣台地の南端に位置する小高い山で、標高144メートルの自然豊かな場所です。明治10年の西南戦争では、西郷軍と明治政府軍の重要な激戦地となりました。現在では、公園として整備され、桜の季節には多くの人々が訪れる花見スポットとなっています。公園内には展望台があり、周囲の景色を一望することができます。

丸田公園

丸田公園は木葉山の南側に位置し、玉東町全体を見渡せるビュースポットとして人気の公園です。春には桜が満開になり、訪れる人々を魅了します。中世にはこの場所が山城として使用され、木葉城として知られていました。伝承によると、南北朝時代には宇都宮氏、戦国時代には小森田氏の持ち城であったと言われています。歴史を感じさせるこの場所で、風景を楽しむことができるのも魅力の一つです。

歴史的遺跡と神社

玉東町には、歴史的な遺跡や神社も多く存在します。以下に代表的な場所を紹介します。

木葉宇都宮神社

木葉宇都宮神社は木葉山の中腹にあり、地元では「カスガサン」として親しまれています。奈良の春日大社から勧請されたと伝わり、古い歴史を持つ神社です。境内にある楠の木は町の天然記念物に指定されており、訪れる人々に安らぎを与えています。毎年11月19日に行われる本祭では、境内のイチョウや紅葉が美しい見ごろを迎え、多くの参拝者でにぎわいます。

稲佐熊野座神社

稲佐熊野座神社は、和銅元年(708年)に紀伊の熊野座神社から勧請された歴史ある神社です。境内には大梛(ナギ)の木があり、これも町の天然記念物に指定されています。この神社の歴史は古く、奈良時代には瓦葺の寺院(稲佐廃寺)が建立されました。現在でもその礎石が復元されており、訪れる人々に当時の面影を感じさせます。

西安寺白山宮

西安寺白山宮は、西安寺地区にある神社で、昭和54年には創建750年を祝う祭りが行われました。毎年11月9日の本祭では、西安寺神楽保存会による夜神楽が奉納され、地域の伝統文化が守られています。また、拝殿の奥には、鎌倉時代に地頭としてこの地を治めた相良氏が信仰した「西安寺跡」が残されており、歴史の深さを感じさせる場所です。

山北八幡宮

山北八幡宮は玉東町の平野に広がる神社で、勧請から1300年の歴史を誇ります。この神社は、菊池から勧請されたと言われており、秋の大祭や春の神楽奉納、子ども相撲などの行事が行われ、地域住民に愛されています。特に、明治時代の廃仏毀釈の際に移された仁王像が有名で、風邪を引かないというご利益があると言われています。

玉東町の年中行事

山北八幡宮春季大祭(2月19日)・秋季大祭(11月19日)

玉東町の山北八幡宮では、毎年2月と11月に大祭が行われます。春季大祭では、神楽奉納や子ども相撲が行われ、地域の人々が集い賑わいを見せます。秋季大祭では、神幸行列が行われ、伝統的な祭りの雰囲気が漂います。

ふれあいまつり(8月)

8月には「ふれあいまつり」が開催され、町全体が賑わいます。町民同士の交流を深める機会として、様々な催し物が行われ、子どもから大人まで楽しめるイベントが目白押しです。夏の風物詩として、町の活気を感じることができる行事です。

歴史

玉東町の歴史は、1955年3月1日に木葉村と山北村が対等合併し、玉東村が発足したことに始まります。その後、1967年4月1日に町制が施行され、玉東町となりました。

近年の主な出来事としては、2024年5月1日に新しい町役場の庁舎が完成し、5月7日から業務が開始されたことが挙げられます。また、町長としては前田移津行氏が2001年から5期連続で務めており、2017年には無投票で再選されました。

産業と特産品

玉東町は、果物の生産が特に盛んな地域であり、特産品としては以下のものが挙げられます。「ハニーローザ」という品種のすももは、近年人気が高まり、加工品としても注目を集めています。

交通

鉄道

玉東町内には、九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島本線が通っており、町内の木葉駅が主要な駅です。また、九州新幹線も当町を通過していますが、停車駅はありません。

バス

玉東町内には、九州産交バスが運行しており、玉名市と熊本市を結ぶ路線が町内を経由しています。また、ふれあいの丘循環バスという無料のコミュニティバスも運行されています。

道路

玉東町には、国道208号が通っており、最寄りの高速道路インターチェンジは九州自動車道の北熊本スマートインターチェンジです。

Information

名称
玉東町
(ぎょくとうまち)

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