春雨とたっぷりの野菜で作られるヘルシーな「太平燕(たいぴーえん)」。戻した春雨に豚肉や、エビ、イカ、キャベツ、にんじんなどの旬の野菜とゆで卵を、鶏ガラや豚骨スープで食す熊本県のご当地料理。もともとは中国福建省に伝わる郷土料理で、明治時代に華僑によって日本に伝来し、日本独特のアレンジが加えられたとされる。現在は熊本県の中華料理店における定番メニューとして、しょうゆ味、塩味、トンコツ味など豊富なバリエーションで広く愛されている。「インスタント太平燕」なども人気。
熊本の中華料理店や家庭でも定番の一品で、春雨をメインに、炒めた野菜や豚肉、エビ、たけのこ、かまぼこ、しいたけなどを入れた具沢山の中華風春雨スープのことで、その上にはゆで卵を揚げたものがのっているのが特徴である。
中国福建省福州の家庭で盆や正月、その他の祝い事など特別な日に食べるスープ料理がルーツとされている。明治時代後期、福建省から長崎、熊本にわたってきた華僑が伝えたといわれるが、中国の高級食材の燕の巣の代わりに揚げたゆで卵(表面にしわがでた様が、燕の巣のイメージ)をフカヒレの代わりに春雨を使って作ったスープが始まりという説がある。福州(現在の福建省都)ではこの卵を太平卵(タイピーノン)と呼び、それを食べられると安泰に暮らせると伝えられており、縁起のよい料理とも言える。
主な使用食材
春雨、卵、豚肉、イカ、エビ、かまぼこ、白菜(キャベツ)、人参、たまねぎ、ねぎ、きくらげ