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南関町

(なんかんまち)

南関町は、熊本県の北西部に位置する静かな町で、歴史的な背景や豊かな自然に囲まれた魅力的な観光地です。

地理と自然環境

南関町は熊本県の西北端に位置し、北部から西部にかけて福岡県と隣接しています。熊本市からは北西に約50キロメートル離れており、町の北から南東方向には九州自動車道が通っています。この町は山々と川に恵まれており、主な山には小岱山(しょうたいさん)、大津山(おおつやま)、二城山(ふたしろやま)、三池山(みいけやま)、大間山(だいまやま)などがあり、美しい自然景観を楽しむことができます。河川では、関川や内田川が流れ、町の風景に潤いを与えています。

名所・旧跡

豊前街道南関御茶屋跡

豊前街道南関御茶屋跡は、国指定の史跡です。江戸時代、参勤交代の際に藩主が休憩や宿泊をするための施設として建てられました。その風格と佇まいは、かつての歴史を感じさせ、訪れる人々に江戸時代の風景を思い起こさせます。歴史的価値の高い建物として、多くの観光客が訪れています。

大津山下ッ宮の椋の木

大津山下ッ宮の椋の木は、南関第一小学校の校庭にある古木です。このムクノキは、長い年月を経て町の人々とともに成長してきた象徴的な存在です。その大きな枝葉は、訪れる人々に安らぎと歴史の重みを感じさせてくれます。

大津山阿蘇神社

大津山阿蘇神社は、南関町の信仰の中心地です。この神社は、地元住民にとって非常に重要な場所であり、伝統的な祭事が行われています。参道の静かな雰囲気や、境内の厳かな佇まいは訪れる者の心を落ち着かせます。

大津山公園

大津山公園は、自然と触れ合える場所として親しまれています。広々とした公園内では、四季折々の花々や緑が楽しめます。家族連れでのピクニックや散策に最適な場所であり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

南の関うから館

南の関うから館は、1998年に開館した多目的施設です。かつては温泉施設も併設されていましたが、2019年に温泉施設が閉鎖されました。現在では、会議室調理実習室のみが利用可能です。地元の交流やさまざまなイベントが開催される拠点として、地域住民に親しまれています。

セキアヒルズ

セキアヒルズは、南関町の観光名所のひとつで、ゴルフコースやリゾート施設が備わっています。豊かな自然環境の中で、リゾート気分を味わいながらアクティビティを楽しむことができます。

北原白秋生誕歌碑

北原白秋生誕歌碑は、日本を代表する詩人・北原白秋に関連するスポットです。この碑は、白秋が生まれ育った地を記念して建てられたものであり、その詩の一節が刻まれています。訪れる人々は、白秋の詩に触れながら、その情感豊かな世界を味わうことができます。

鷹ノ原城跡

鷹ノ原城跡は、かつて南関町に築かれた城の跡地です。この歴史的な場所では、当時の城の構造や位置関係を想像しながら、古の風景を感じることができます。静かな佇まいが広がり、歴史を学びながら散策するのに適しています。

城ノ原官軍墓地

城ノ原官軍墓地は、西南戦争において南関町周辺で戦死した官軍兵士たちの墓地です。歴史に名を刻んだ戦いの場として、多くの人々がその勇気と犠牲に敬意を払うために訪れます。静かな墓地は、訪れる者に歴史の重みと戦いの記憶を伝えています。

特産品センターなんかんいきいき村

特産品センターなんかんいきいき村は、国道443号沿いに位置する物産館です。ここでは南関町の特産品を購入することができ、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。地元の新鮮な野菜や工芸品など、様々な特産品が取り揃えられています。

祭事・イベント

関所祭り

関所祭りは、毎年11月の第3日曜日に開催される伝統的な祭りです。この祭りでは、古代から続く南関の歴史や文化を祝うために、多くの催し物が行われます。地元住民や観光客が一体となって楽しむイベントで、町全体が賑わいを見せます。

なんかん夏まつり(ぎおんさん)

なんかん夏まつり(ぎおんさん)は、毎年8月の第1土曜日に開催される夏の風物詩です。この祭りでは、大蛇の制作が行われ、迫力ある大蛇が祭りの目玉となります。この大蛇は南関で制作され、大牟田でも披露されることで有名です。祭りの夜には、花火が打ち上げられ、町は熱気と興奮に包まれます。

GET21なんかん音と光のカウントダウン

GET21なんかん音と光のカウントダウンは、1999年から2001年にかけて大津山を舞台に開催された地元住民手作りの世紀越えイベントです。このイベントは、ふるさとイベント大賞の「ミレニアム・世紀越え部門賞」を受賞したことでも知られています。地元住民が一丸となって作り上げたこのイベントは、南関町の一体感を象徴するものであり、今でもその思い出が語り継がれています。

ふるさと関所健康マラソン大会

ふるさと関所健康マラソン大会は、毎年4月29日に開催される健康マラソン大会です。地元住民だけでなく、多くのランナーが参加し、自然豊かな南関町の風景を楽しみながら走ります。健康促進と地域交流を目的としたこのイベントは、参加者にとって充実した時間を過ごせる機会となっています。

特産品

南関素麺

南関素麺は、南関町の特産品のひとつで、その独特の食感と風味が特徴です。細くてのどごしの良い素麺は、多くの人々に愛されており、夏の食卓を彩る逸品として人気があります。

南関あげ

南関あげは、南関町を代表する揚げ物で、サクサクとした食感が魅力です。地元の材料を使って作ら れるこのあげは、さまざまな料理に利用することができ、多くの家庭で親しまれています。

南関煮しめ

南関煮しめは、地元の新鮮な野菜を使った煮物料理です。南関町の伝統的な味付けが施されたこの料理は、家庭の味を大切にする地元の人々に愛されています。

小代焼(小岱焼)

小代焼(小岱焼)は、南関町の伝統的な陶器で、美しい釉薬と温かみのあるデザインが特徴です。手作りの技術が生きる小代焼は、地元だけでなく全国からも注目されており、陶器愛好家にとって欠かせない逸品となっています。

もまた、南関町の特産品のひとつです。南関町の豊かな自然環境で育まれたお米は、甘みと粘りがあり、その品質の高さで知られています。地元の米は、南関町の料理を一層美味しく引き立てます。

南関町の歴史

奈良時代から平安時代までの関所の役割

南関町は、古くから重要な交通の要所として知られており、その名前も「関所」に由来しています。奈良時代にはこの地域に官道の駅が置かれ、平安時代には『延喜式』に宿駅として記されています。平家物語にも、南関町の関所に関する記述があり、平家の武将である菊池二郎高直がこの関所を通って逃亡したエピソードが描かれています。

豊臣秀吉と太閤水の伝説

安土桃山時代には、豊臣秀吉が薩摩の島津氏を征討するために九州を訪れた際、南関を通過しました。このときに汲まれた湧水が「太閤水(たいこうみず)」と呼ばれ、現在も大津山公園内に残っています。歴史的な湧水として、訪れる人々に親しまれています。

江戸時代の街道と参勤交代

江戸時代には、南関町は豊前街道の一部として、参勤交代の重要なルートに位置していました。豊前街道は熊本城下から南関を経て、小倉に至る街道で、肥後藩主が休息を取った「御茶屋」は現在も南関御茶屋跡として保存されています。また、南関番所も当時の名残として、地域の歴史を伝えています。

アクセスと交通

南関町へは九州自動車道の南関インターチェンジが最寄りとなっており、車でのアクセスが便利です。また、公共交通機関を利用する場合は、九州新幹線の新大牟田駅や鹿児島本線の銀水駅が最寄りの駅となります。町内を走るバスも利用可能で、観光地への移動もスムーズです。

まとめ

南関町は、豊かな自然と長い歴史に彩られた町で、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。大津山公園や豊前街道南関御茶屋跡などの観光名所に加え、地元の伝統行事や温泉も楽しめるため、歴史と自然を感じたい旅行者にとって理想的な目的地です。南関町でゆったりとした時間を過ごし、歴史と自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

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南関町
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