水前寺江津湖公園は、熊本県熊本市に位置し、江津湖を中心とした広大な都市公園です。公園は、いくつかの地区に分かれて指定されていた地域を再構成し、1966年12月24日に開設されました。江津湖は、熊本市の中心部から南東に約5kmの場所にあり、上江津湖と下江津湖に分かれた長さ2.5km、周囲6kmの湖です。
湖水面積は約50haにも及び、江津湖は「ひょうたん型」をしており、自然豊かな環境が広がっています。人口70万人を超える大都市でこのような大規模な湖が市街地にあるのは珍しく、貴重な水生生物や野鳥が見られる自然の宝庫です。また、熊本市の水道水は100%天然地下水でまかなわれており、江津湖は「日本一の地下水都市・熊本」のシンボルでもあります。
水前寺江津湖公園は、江津湖を囲む形で立地し、周囲には遊歩道やサイクリングロード、芝生広場が整備されています。休日には、湧水広場やアスレチックで遊ぶ親子連れが多く見られ、地域住民の憩いの場となっています。また、湖の周囲には熊本市動植物園があり、子どもたちの自然学習の場としても利用されています。
水前寺江津湖公園の玄関口となる水前寺地区は、熊本城と並ぶ観光地「水前寺成趣園」に隣接しています。旧熊本市立体育館跡地が再整備され、広い芝生広場と1周約200メートルの園路が整備されており、夏季には幼児向けプールも開かれます。また、ここから加勢川沿いに江津湖へと続く園路が始まっています。
熊本県立図書館の周辺に位置する出水地区には、湧水が豊富に湧き出る「芭蕉園」や、旧細川内膳家砂取庭園を再現した日本庭園があります。5月から6月にかけては、湧水地でホタルの姿を見ることもでき、文化的で自然豊かなエリアとして親しまれています。
上江津湖全域を含む湖岸の公園で、ボートを漕いだり、釣りを楽しんだりすることができるエリアです。3か所の駐車場やボート小屋、広場などが整備されており、湖の自然を存分に楽しめます。また、湖畔から眺める景色も素晴らしく、熊本市内外から多くの人々が訪れます。
下江津湖の左岸に位置する公園で、遊歩道とサイクリングロードが並行して整備されています。湖畔の風景と熊本市動植物園の南門が隣接しており、家族連れや自然愛好家にとって人気のエリアです。ボート部の学生たちが練習する姿や、レガッタの様子も楽しむことができます。
広範囲にわたる芝生エリアと湧水による親水空間が広がる広木地区は、小さな子ども連れの家族に特に人気のエリアです。都市公園としても整備が行き届いており、ピクニックやウォーキング、ランニングを楽しむ人々で賑わっています。
水前寺江津湖公園の周辺には、「水前寺成趣園」や「熊本洋学校教師館ジェーンズ邸」などの観光スポットが点在しています。また、下江津湖地区には庄口公園運動施設や熊本市動植物園、熊本市上下水道局の健軍水源地が隣接しており、自然だけでなくさまざまなレジャーが楽しめる環境が整っています。
水前寺江津湖公園へのアクセスは、公共交通機関が充実しています。熊本市電の「水前寺公園電停」や「動植物園入口電停」、または路線バスの「三の宮」バス停などを利用すると、徒歩数分で公園に到着します。また、駐車場も各地区に整備されており、車でのアクセスも便利です。
公園内には無料の駐車場が上江津地区に3ヶ所、広木地区に1ヶ所設けられています。利用時間が決められているため、訪問前に確認しておくことをおすすめします。特に、広木駐車場は園内で最も広く、車での利用者にとって便利なスポットです。
江津湖周辺では、1978年から始まった「TKU納涼花火大会」が毎年開催されており、2005年まで上江津湖畔で行われていました。2015年には「江津湖花火大会」として復活し、現在も多くの人々に楽しまれています。この花火大会は、江津湖の美しい景観とともに、熊本市の夏の風物詩となっています。
江津湖は、熊本市の東区から中央区にかけて広がる河川膨張湖で、豊富な湧水に恵まれています。湖底遺跡や古代の人々の生活跡が残されているこの地域は、歴史的にも重要な場所です。自然環境保護の取り組みも行われており、貴重な動植物や湿地帯が守られています。
水前寺江津湖公園は、その自然豊かな環境と多彩なレジャー活動、観光スポットを兼ね備えた魅力的な公園です。熊本市を訪れた際には、ぜひ立ち寄って江津湖の美しい風景や自然の豊かさを楽しんでください。