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不知火美術館

(しらぬひ びじゅつかん)

宇城市不知火美術館は、熊本県宇城市に位置し、地元の芸術文化を発信する重要な施設です。この美術館は、1999年7月に不知火町が運営する不知火町立美術館として開館し、後に不知火町が宇城市に合併したことで、正式名称が「宇城市不知火美術館」となりました。美術館は図書館と併設された複合文化施設であり、市民の憩いの場として親しまれています。

施設の概要

宇城市不知火美術館は、宇城市立中央図書館と共に「不知火文化プラザ」(現・不知火美術館・図書館)内に位置しています。美術館の周囲には、体育館や公民館、室内プールなども整備され、市民が集う文化的な交流の場として機能しています。また、館内には遊歩道も整備されており、リラックスしながら芸術作品を楽しむことができます。

美術館の歴史

1999年に不知火町立美術館として開館した当初から、地域に根ざした文化施設として市民に愛されてきました。合併に伴い、現在は「宇城市不知火美術館」として知られています。美術館の設計は、建築家の北川原温氏と伊藤建築事務所が手掛け、不知火海の蜃気楼現象「不知火」をイメージした斬新なデザインが特徴です。この建物は、くまもと景観賞奨励賞や第17回日本図書館協会建築賞をはじめ、数々の建築賞を受賞しています。

コレクションの紹介

地元ゆかりの芸術家たち

宇城市不知火美術館では、地元にゆかりのある著名な芸術家の作品を中心に収蔵・展示しています。「ブラジルのピカソ」と称され、南米の抽象画の第一人者である日系ブラジル人画家マナブ間部氏、戦前のアメリカで活躍し日本の絵画界に新風を吹き込んだ野田英夫氏、独創的な版画で知られる東京芸術大学名誉教授の野田哲也氏、さらには世界的写真家河野浅八氏など、これらの芸術家たちの作品が館内に展示されています。

マナブ間部氏の功績

マナブ間部氏は、南米の抽象画において大きな功績を残し、日本とブラジルの親善に尽力しました。その鮮やかな色彩と感性豊かな作品群は、観る者を魅了し続けています。

野田英夫氏の影響

1930年代のアメリカ画壇で活躍した野田英夫氏は、30歳という若さで亡くなりましたが、彼の斬新な画風は日本の近代絵画に大きな影響を与えました。その作品は今もなお、多くの美術愛好家に親しまれています。

野田哲也氏と版画の革新

東京芸術大学名誉教授である野田哲也氏は、従来の版画の概念を打ち破り、革新的な発想で新たな表現を生み出しました。彼の作品は、国内外で高く評価されています。

世界的写真家・河野浅八氏

河野浅八氏は、大正から昭和初期にかけてアメリカを拠点に活躍した世界的な写真家です。彼の作品は、ニューヨーク・タイムズでも取り上げられ、世界中で称賛されています。

建築について

不知火海のイメージを表現したデザイン

不知火美術館の建物は、不知火海に現れる蜃気楼現象「不知火」を象徴的にイメージして設計されました。北川原温氏と伊藤建築事務所が手がけたこの建物は、壁面と天井に設置されたルーバースクリーンが柔らかな光を取り込み、美しい空間を作り出しています。建物の外観は、95メートルにわたって有機的に連続し、静謐な美しさを誇ります。

受賞歴と評価

不知火美術館は、その独創的な建築デザインが高く評価され、1999年には「くまもと景観賞奨励賞」を受賞しました。また、2001年には「第17回日本図書館協会建築賞」、2002年には「日本建築学会作品選奨」にも選ばれ、全国的な評価を得ています。

利用案内

開館時間と休館日

宇城市不知火美術館の開館時間は、平日と日祝日が9:00~18:00、土曜日は9:00~21:00までです。展示室は、展示入れ替え日やメンテナンス日の際に閉室となりますが、基本的に休館日はありません。

入館料と駐車場

美術館の入館料は、年4回開催される企画展に関しては一般300円、大高校生200円、中学生以下は無料となっています。それ以外の展示は全て無料で観覧でき、各種減免制度も用意されています。駐車場は約30台分があり、身障者用駐車スペースも完備されています。

アクセス

美術館へのアクセスは、JR九州鹿児島本線の松橋駅から徒歩約14分(1.1km)です。松橋駅から「松橋駅通り」バス停にて九州産交バスに乗り、「宇城市不知火支所前」で下車すると美術館に到着します。また、車でのアクセスも便利で、九州自動車道松橋インターチェンジから約4.5kmの距離にあります。美術館の駐車場は無料で利用可能です。

まとめ

宇城市不知火美術館は、地元の文化と芸術を支える重要な役割を果たす施設です。美術館内では、地元ゆかりの著名な芸術家たちの作品が展示されると同時に、その斬新な建築デザインも訪れる人々を魅了します。市民だけでなく、観光客にとっても必見のスポットであり、芸術と文化の発信地としての役割を今後も果たし続けるでしょう。

Information

名称
不知火美術館
(しらぬひ びじゅつかん)

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