熊本県 » 熊本市・山鹿・菊池

梵福山 三宝寺

(ぼんぷくざん さんぽうじ)

三宝寺は、熊本県宇城市小川町南部田に位置する黄檗宗の寺院で、山号は梵福山(ぼんぷくざん)です。この寺院は、江戸時代の禅僧・鉄眼道光によって創建され、鉄眼一切経(黄檗版大蔵経)と呼ばれる貴重な仏典の制作で広く知られています。

三宝寺の歴史

1674年(延宝2年)、鉄眼道光が父・佐伯浄信の病に伴い帰省した際に、父が住んでいた居宅を利用して三宝寺を創建しました。佐伯浄信は守山八幡宮の社僧であり、鉄眼はその影響を受けて黄檗宗の僧侶となりました。父の没後、鉄眼は生家を本堂として寺院を立て、「三宝寺」と名付けたのです。

鉄眼道光と一切経

鉄眼道光は、禅僧としての修行を進める一方、仏典の普及にも尽力しました。彼が手掛けた「鉄眼一切経」は、黄檗版大蔵経として広く知られており、日本仏教の発展に大きく貢献した作品です。これらの版木は、多くが京都の萬福寺塔頭宝蔵院に保存されていますが、三宝寺にはそのうちの1枚が現存しています。

三宝寺の文化財

鉄眼一切経の版木

鉄眼一切経の版木は、鉄眼道光が心血を注いで作成したもので、当時の仏教の知識を後世に伝えるための貴重な文化財です。約6万枚に及ぶ版木のほとんどは京都府宇治市の萬福寺塔頭宝蔵院に保管されていますが、三宝寺にはその中の1枚が保存されており、現在も大切にされています。

鉄眼禅師木像

三宝寺の境内には、鉄眼道光の木像が安置されています。この木像は、鉄眼禅師が地域と寺院の発展に尽力したことを象徴するものです。鉄眼禅師の姿を現したこの像は、三宝寺を訪れる参拝者に深い敬意と感銘を与えています。

三宝寺周辺の寺社

三宝寺の近くには、いくつかの歴史的な寺社があります。その中でも特に注目されるのは、次の二つです。

守山八幡宮

守山八幡宮は、三宝寺の創建にも関わりが深い神社です。この神社は、鉄眼道光の父である佐伯浄信が社僧として仕えていた場所であり、三宝寺との縁が深い場所です。三宝寺を訪れる際には、この八幡宮もぜひ一緒に訪れてみてください。

摂取寺

摂取寺は、浄土宗の寺院で、三宝寺からほど近い場所に位置しています。この寺院もまた、地域の信仰や歴史において重要な役割を果たしており、仏教文化に触れることができる貴重な場所です。

三宝寺へのアクセス

三宝寺は、JR九州鹿児島本線の小川駅からタクシーで約7分(約3.1km)の距離にあります。また、公共交通機関を利用する場合は、松橋産交から九州産交バスの宮原経由八代産交行きに乗車し、「イオンモール宇城」で下車後、徒歩約18分(約1.4km)で到着します。車でのアクセスも便利で、九州自動車道の宇城氷川スマートインターチェンジからは約3.6kmの距離です。

まとめ

三宝寺は、鉄眼道光が創建した歴史ある寺院であり、彼が編纂した鉄眼一切経やその版木は、仏教界における重要な文化財として評価されています。また、守山八幡宮や摂取寺などの歴史的な寺社との結びつきもあり、訪れる価値の高いスポットです。熊本県宇城市を訪れた際には、ぜひ三宝寺に足を運び、歴史と仏教文化の深い魅力に触れてみてください。

Information

名称
梵福山 三宝寺
(ぼんぷくざん さんぽうじ)

熊本市・山鹿・菊池

熊本県