八代宮は、熊本県八代市に位置する由緒ある神社です。旧社格は官幣中社であり、後醍醐天皇の皇子である懐良親王(かねよししんのう)を主祭神としています。地元では「将軍さん」として親しまれており、建武中興十五社の一社として知られています。
八代宮は、懐良親王を主祭神として祀っています。懐良親王は、征西将軍としてこの地で足利軍と戦いました。彼の死後、その後を継いで征西将軍となった良成親王も八代宮に配祀されています。この神社は、地元の人々にとって非常に重要な存在であり、「将軍さん」の愛称で親しまれています。
八代宮の例祭日は毎年8月3日です。この日は、八代宮の創建が太政官によって正式に決定された日として祝われています。通常、例祭日としては主祭神の命日が選ばれることが多いですが、懐良親王の命日が不明であったため、創建が決定された日を例祭日としています。
明治維新以降、南朝の功労者を祀る神社を建立しようという動きが全国各地で広まりました。八代市でも、懐良親王と良成親王を祀る神社の創建を求める声が高まりました。八代市の住民たちは、懐良親王の墓所に近い八代城址に神社を建てることを強く希望しました。
1880年(明治13年)、太政官が熊本県に八代宮の創建を命じ、懐良親王を主祭神、良成親王を配祀する神社が建立されることになりました。八代城址には、官有地と民有地が存在していましたが、1881年(明治14年)に民有地が神社のために寄付され、八代城址全体が神社の境内となりました。また、神社の前から市街地に通じる道路も整備されました。
神社の建設には、総額9463円80銭4厘が必要とされました。そのうち、2642円97銭4厘は寄付金や力役提供でまかなわれ、残りは官費で賄われました。1884年(明治17年)4月20日には、社殿が完成し、鎮座祭が盛大に行われました。これにより、懐良親王と良成親王の霊代(神体)が新しい鏡に納められ、神社は正式に稼働を始めました。
八代宮は交通の便が良く、以下のアクセス方法が利用可能です。
八代宮の創建に至るまでの重要な出来事を以下にまとめます。
八代宮は、南朝の功労者である懐良親王と良成親王を祀る、歴史的な神社です。地元住民に「将軍さん」として親しまれ、毎年8月3日の例祭日には多くの参拝者が訪れます。八代城址に建てられたこの神社は、歴史的にも重要な役割を果たしており、現在もその伝統が受け継がれています。