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かずら豆腐の味噌漬け

(とうふ みそづけ)

伝統の保存食はみそ風味のチーズのような味わい

熊本県の東南部に伝わる保存食として有名で、伝承では1200年頃に平家の落武者に よって保存食として利用されたことが発端であると伝えられている。物流の整っていない山間部では様々な保存食が発達した。地元で作られる豆腐は「かずら豆腐」と呼ばれる固い食感が特徴で、かずらで縛って持ち運べるほど固いことに由来すると言われる。豆腐のみそ漬けにもこの固い豆腐が向いている。みそ風味のチーズのような味わいで、お酒のおつまみに絶品!五木・五家荘・人吉周辺の各家庭で作られるほか、お土産物や家庭用にも市販されている。

約800年前、平家の敗北後、敗れた武士たちは肥後連山の麓に隠れ住み、そこで「豆腐の味噌漬け」として知られる料理を生み出しました。山岳地帯の五家荘(八代市泉)地域や五木村では、焼き畑で育てた大豆や麦を使って自家製の豆腐や麦味噌が作られてきました。約半年間味噌に漬けられた豆腐は、チーズのような風味があり、ごはんのおかずやお酒のつまみとして楽しまれ、交通の便の悪い地域で貴重な保存食として使用されました。

八代市坂本町鮎帰地区で製造される「かずら豆腐」は、豆腐を固める際に重りをかけて水分をしっかり抜く方法を採用しており、そのため非常に固いことからその名前がついたものです。同様に、五木村では「樫の木豆腐」と呼ばれ、大豆を豊富に使用した固い食感の豆腐が存在します。このような硬い豆腐が味噌漬けに適しており、豆腐をしっかり圧搾し、弱火で乾燥させた後に、塩分濃度の高い味噌に漬け込まれます。

現在、この料理は県内各地で生産され、特産品として販売されています。さまざまなバリエーションが存在し、塩分を抑え、口当たりが滑らかで風味も豊かなものが主流となっています。柚子胡椒や赤唐辛子を加えるなど、さまざまなお酒に合う食材です。

この料理は一般の食卓でも楽しむことができ、土産物や家庭用にも市販されています。家庭で作る場合、通常の木綿豆腐を水切りして作ることが一般的で、好みに応じて漬け込み期間を数日から設定することができます。

食べ方は、家庭で味噌床に漬けた場合、日を追うごとに味が濃くなりますので、好みの漬かり具合を確認して取り出します。薄くスライスし、ご飯の上にのせたり、お酒のつまみとしてそのまま食べたりできます。また、わさびや醤油をつけると美味しいです。さらに、細かく切っておにぎりに混ぜたり、サラダに入れたりとアレンジの幅も広がります。もろみに漬けたものは、ねっとりと柔らかく、ごはんやパンにつけたり、スパゲティに組み合わせたりして新しい料理のアイデアも生まれています。

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名称
かずら豆腐の味噌漬け
(とうふ みそづけ)

八代・人吉・球磨

熊本県