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球泉洞

(きゅうせんどう)

球泉洞は、熊本県球磨郡球磨村に位置する鍾乳洞で、球磨川沿いを走る国道219号線・鎗倒しと呼ばれる岩壁の上に広がっています。この洞窟は、標高694メートルの権現山の地下にあり、日本国内でも特に長い鍾乳洞の一つとして知られています。

球泉洞の基本情報

球泉洞は全長約4,800メートルを誇り、日本国内では第6位、九州地方では最も長い鍾乳洞です。そのうち約800メートルが観光客向けに整備されており、訪れる人々が洞内の美しい景観を楽しむことができます。球泉洞は約3億年前、海底で石灰岩層が形成され、地殻変動によって隆起した後、雨水に含まれる二酸化炭素が侵食し、今日のような壮大な鍾乳洞を形作りました。

鍾乳洞の形成と歴史

球泉洞は長い歴史を持ち、コウモリの巣として知られていた山腹の縦穴が、1973年に愛媛大学探検隊によって調査され、地下70メートルに鍾乳洞が発見されました。2年間の詳細な調査の後、1975年に一部が一般公開され、現在では多くの観光客が訪れています。特に、洞窟探検家の山内正氏が参加していたことが有名です。

洞内の見どころ

公開されている球泉洞の洞内は、年間を通じて約16℃に保たれており、非常に快適な環境です。洞内には、石筍やフローストーン、ポットホールなど、自然の力が生み出した特徴的な鍾乳石の景観が広がっており、訪れる人々を驚かせます。

石の滝とその他の名所

洞内を歩くと、炭酸カルシウムが作り出す層(フローストーン)や、地下水流によって削られたポットホール、天然橋、そして鍾乳洞特有のヘリクタイトやリムストーンなどの見事な光景を目にすることができます。特にホマーテ型石筍は、その独特な形状が魅力的です。鉄骨でできた階段や橋が整備されているため、観光客は安全に洞窟内を巡りながらこれらの美しい自然の造形を観察できます。

ファミリー探検コース

球泉洞では「ファミリー探検コース」も用意されており、第二本洞へと繋がる地下200メートルのエリアを探索することができます。このコースでは、ヘルメットとヘッドランプを着用し、係員が同行して案内しますので、子供連れでも安心して楽しむことができます。

球泉洞スピリアル

球泉洞の一部には、訪れた観光客が購入した地元産の球磨焼酎を熟成させるための特別な棚があります。最長20年間保管することができ、このサービスは多くの焼酎愛好者に人気です。もともとは、球泉洞を管理している森林組合長がワインの熟成を提案したことから始まりましたが、地元の特産品である焼酎を貯蔵することになり、実現されました。

2020年熊本豪雨による被害と復興

2020年7月の熊本豪雨により、球泉洞の裏山で2か所の土石流が発生し、洞窟は約1年9か月にわたり閉鎖されていました。しかし、2022年4月に再開し、再び観光客を迎え入れています。この災害からの復興は、地元住民や関係者にとって大きな希望となりました。

球泉洞周辺の観光施設

球泉洞の周辺には、観光施設や自然を楽しむためのスポットが多数あります。森林館やエジソンミュージアム、沢見展望所など、多彩な観光施設があり、訪れる人々に充実した観光体験を提供しています。また、洞窟近くには、球磨川でのくま川下りやラフティングの終着点もあり、アウトドア活動を楽しんだ後に球泉洞を訪れる人も多く見られます。

交通アクセス

球泉洞へのアクセスは、JR九州肥薩線の球泉洞駅から徒歩約20分の距離にあり、また九州産交バスも運行しており、「球泉洞前」で下車すればすぐに到着します。車を利用する場合は、九州自動車道の人吉インターチェンジから約18kmの距離にありますので、交通の便も良好です。

周辺の見どころ

球泉洞周辺には、カルスト地形を持つ杣鼻山や高沢鍾乳洞、神瀬石灰洞窟などの自然の造形が見られるスポットが点在しています。これらも合わせて訪れることで、自然の魅力を存分に感じることができます。

入場料と探検コース

球泉洞の入場料は、大人1,100円、中人800円、小人600円、幼児450円で、探検コースの利用には別途800円が必要です。この料金で、球泉洞の豊かな自然を十分に楽しむことができます。

周辺施設

球泉洞周辺には、駐車場や売店、レストランが整備されており、訪れる観光客に便利なサービスを提供しています。また、球泉洞森林館は日本建築学会作品賞を受賞しており、建築ファンにとっても見逃せないスポットです。

まとめ

球泉洞は、熊本県の自然の美しさを堪能できる鍾乳洞であり、洞内の探検や周辺施設の観光を通じて、訪れる人々に忘れられない体験を提供しています。探検や自然観察が好きな方にとって、ぜひ訪れてほしい場所です。

Information

名称
球泉洞
(きゅうせんどう)

八代・人吉・球磨

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