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日本一の石段(釈迦院 御坂 遊歩道)

日本一の石段として知られる「釈迦院御坂遊歩道」は、熊本県が全国に誇る観光名所です。石段の段数は驚異の3,333段に達し、釈迦院へと続く表参道「御坂」に沿って造られています。この石段は、1988年に完成し、全国の石だけでなく、世界中の名石が使われていることでも有名です。途中には休憩所やトイレも整備されており、観光客がゆったりと休憩できる環境が整っています。

日本一の石段の誕生

この石段は、昭和55年に工事が始まり、昭和63年に完成しました。完成当時、山形県の羽黒山の2,446段を抜き、日本一の石段として名を馳せました。石段の長さは2.9kmに及び、登り切るには相当な体力が必要ですが、その先にある釈迦院の荘厳な姿や雄大な景観が、登山者を待っています。

建設の経緯と意義

美里町(旧中央町)は、町おこしを目指して、この石段を建設しました。昭和55年1月から着手し、昭和60年11月には羽黒山の石段を抜いて、日本一の座を獲得。昭和63年3月に正式に完成しました。この石段は、熊本県知事だった細川護熙の「日本一づくり運動」に呼応して建設され、地域の観光資源としての役割を果たしています。

国際的な名石の使用

この石段には、日本国内の名石だけでなく、中国、韓国、インド、ロシア、アメリカ、ブラジル、南アフリカなど、世界各国から取り寄せた御影石が使用されています。これにより、国際的な親善や友好の象徴としても評価され、観光客にとっては歴史的価値の高いスポットとなっています。

観光イベント「アタック・ザ・日本一」

毎年11月には、この日本一の石段を活用したイベント「アタック・ザ・日本一」が開催されます。全国から集まった挑戦者たちが、3,333段の石段を登り切る速さを競います。速い方は1時間以内で登り切ることができると言われていますが、一般の観光客は、上りに約2時間、下りに1時間、合計3時間程度を見込むと良いでしょう。

登り方のコツ

石段を登る際のコツは、自分のペースを守りながら、無理せずに一歩ずつ進むことです。特に初めて訪れる方にとっては、3,333段という数は非常にハードに感じられるかもしれません。しかし、途中にはいくつかの休憩所やトイレが設置されているため、息をつきながら登ることができます。

石段の四季折々の魅力

この石段は、季節ごとに違った魅力を持っています。春には桜並木が咲き誇り、お花見スポットとしても人気です。特に、石段の道中に広がる桜の美しさは圧巻です。また、秋には美しい紅葉が見られ、石段を登りながら色鮮やかな風景を楽しむことができます。四季折々の自然美を感じながら、石段を歩くことは、心身のリフレッシュにも最適です。

登り切った後の楽しみ

石段を登り切った後には、町内の観光地や温泉でリラックスすることもできます。特に「佐俣の湯」という温泉施設では、登山の疲れを癒すことができます。また、町内には「ハートができる石橋」や「八角トンネル」、アスレチック施設「フォレストアドベンチャー・美里」などの観光スポットもあり、石段だけでなく、美里町全体を楽しむことができます。

釈迦院 - 歴史と伝統が息づく寺院

釈迦院(しゃかいん)は、熊本県八代市泉町に位置する天台宗の由緒ある寺院です。釈迦院は、延暦18年(799年)に奘善大師が草創し、1200年もの歴史を持つ寺院として知られています。この寺院の表参道として、日本一の石段が整備されており、登り切った先には、荘厳な釈迦院の本堂が待っています。

釈迦院の歴史

釈迦院は、延暦18年に奘善大師が草創したと伝えられています。奘善は、もともと薬蘭と称し、霊感によって大行寺山の頂上近くで金色の釈迦如来像を感得し、それを草庵に祀りました。奘善の祈祷が桓武天皇の病気を治癒させたことから、大師号を授かったとされています。このように、釈迦院は古代から続く由緒ある寺院として、その名を知られています。

寺院の再興と信仰

天正年間にはキリシタン大名の小西行長による焼き討ちに遭い、一時は衰退しましたが、その後、加藤清正や細川氏によって再興されました。釈迦院は、「長わずらいすることがない」とされ、地元では「ぽっくり寺」としても親しまれています。毎年4月8日には、花祭りが開催され、多くの参拝客が訪れます。

釈迦院の文化財と自然

釈迦院は、熊本県指定の重要文化財である「銅造釈迦如来立像」や「木造男女神坐像」などを所蔵しています。また、寺院が位置する大行寺山は、標高957メートルの山で、周囲には釈迦院の森が広がっています。この森は、釈迦院と共に長い歴史を持ち、その自然美は訪れる人々を魅了しています。

アクセスと周辺観光情報

釈迦院と日本一の石段へのアクセスは、公共交通機関または自家用車で行くことができます。路線バスを利用する場合は、熊本桜町バスターミナルから熊本バス甲佐行きに乗り、麻生交通氷川線に乗り換えて「坂本石段前」で下車後、徒歩5分ほどで到着します。自家用車でのアクセスは、九州自動車道松橋インターチェンジから約20kmの距離です。駐車場も完備されており、車での観光も便利です。

熊本県の美里町と八代市は、歴史と自然に囲まれた観光スポットが数多く存在し、その中でも日本一の石段と釈迦院は、訪れる価値のある場所です。観光の際には、ぜひこれらのスポットを訪れ、歴史と自然の調和を感じながら、心身をリフレッシュしてみてください。

Information

名称
日本一の石段(釈迦院 御坂 遊歩道)

八代・人吉・球磨

熊本県