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球泉洞 森林館

(きゅうせんどう しんりんかん)

球泉洞森林館は、熊本県球磨郡球磨村に位置する博物館です。もともと森林に関する展示がメインでしたが、開館10周年を迎えた際に発明家トーマス・エジソンに焦点を当てた展示も追加され、「エジソンミュージアム」という愛称を持つようになりました。2012年の豪雨災害による被害を受け、現在は休館中です。

球泉洞森林館の概要

球泉洞森林館は、熊本県球磨村の球泉洞近くに位置しています。球泉洞は、1973年に発見された鍾乳洞で、1975年から一般公開されています。球泉洞森林館はその鍾乳洞から国道219号を挟んだ球磨川の斜面に建設されました。

建設の経緯と建築様式

球泉洞森林館の設計は1981年11月に開始され、1982年10月に工事が着工しました。完成は1984年6月で、設計を手掛けたのは木島安史氏です。彼はスイスに存在した「第1ゲーテアヌム」から影響を受けており、その影響は球泉洞森林館の独特な7つのドームが連なる外観に現れています。

敷地面積は5,085.81平方メートル、建築面積は762.99平方メートル、延床面積は1,640.09平方メートルという規模です。主要な建築部分は鉄骨鉄筋コンクリート構造であり、ドーム部分はトラスウォール工法が採用されています。この斬新な建築は1985年に日本建築学会賞を受賞しました。

展示内容とエジソンミュージアム

球泉洞森林館は当初、球磨村森林組合の運営の下、森林に関する展示を主なテーマとしていました。しかし、開館から10年後の1994年に展示内容が大幅にリニューアルされ、発明王トーマス・エジソンに関連する展示が加わりました。この時期から「エジソンミュージアム」という愛称がつけられ、多くの来館者が訪れる人気のスポットとなりました。

エジソンに関する展示

エジソンミュージアムでは、トーマス・エジソンの発明や彼の生涯に関する資料や展示品が約2,000点にわたり収蔵されています。エジソンの偉大な業績やその発明がいかにして現代に影響を与え続けているかを学ぶことができ、特に子どもたちや技術に興味を持つ大人にとって魅力的な展示内容となっています。

豪雨災害による休館

残念ながら、球泉洞森林館は2012年に発生した豪雨災害によって甚大な被害を受けました。特に球泉洞や周辺地域での浸水被害が大きく、館内の展示物にも影響を与えたため、同年から休館状態が続いています。再開の目処は立っておらず、修復作業や新たな展示の準備が進められている段階です。

球泉洞森林館の建築的な特徴

球泉洞森林館は、その建築的な美しさでも知られています。木島安史氏によるデザインは、建物自体が自然との調和を目指したもので、特に7つのドームが連なった独特の形状は、周囲の山々や川の風景と一体化した美しさを持っています。このデザインは、日本国内外の建築家からも高い評価を受けており、建築ファンにとっても訪れる価値のある場所でした。

再開に向けた取り組み

現在、球泉洞森林館は休館していますが、再開に向けた取り組みが続けられています。球磨村や関係者は、災害による被害を受けた施設の修復とともに、将来的には新たな展示や地域の自然・文化を取り入れたコンテンツの充実を図り、再び多くの観光客が訪れる場にすることを目指しています。

球泉洞の観光スポットとしての魅力

球泉洞森林館は球泉洞観光の中心的な施設でした。球泉洞自体は総延長4,800メートルを誇る日本でも屈指の巨大な鍾乳洞であり、その魅力を存分に楽しむことができる一般向けコースや探検コースが人気でした。森林館が再開されれば、再びこのエリアが自然と科学の学びの場として、多くの人々を引き寄せることでしょう。

まとめ

球泉洞森林館は、建築的な価値や展示内容の充実した博物館として、かつては多くの人々に愛されていました。トーマス・エジソンに関する展示や球泉洞の観光と合わせて、自然の中で学びと楽しみを提供する場所として非常に魅力的です。豪雨災害からの復興を経て、再び多くの人が訪れる日を楽しみにしています。

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名称
球泉洞 森林館
(きゅうせんどう しんりんかん)

八代・人吉・球磨

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