白川は、熊本県の中北部を流れる一級河川であり、一級水系白川の本流です。その水源は、環境省によって名水百選に選定されています。
白川は阿蘇山の根子岳(標高1,433m)に源を発し、阿蘇山カルデラの南部にある「南郷谷」を西へ流れます。南阿蘇村の立野で、カルデラの北側を流れる支流の黒川と合流します。上流から中流にかけては急流が多く、その後は熊本市街を南北に分けて流れ、有明海へと注ぎます。
河口部では、加藤清正による干拓が行われ、現在もその成果が見られます。
古文献「大渡橋幹縁疏」や「大渡橋供養記」によると、白川の名前は「時折白く濁る」ことに由来しています。
白川沿いには多数の湧水があり、これらは「南阿蘇村湧水群」として平成の名水百選に選ばれています。南阿蘇村はまた、水の郷百選に「水の生まれる里」としても選定されています。
「白川水源」は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字白川にあり、「白川吉見神社」の境内から毎分60トンの水が年間を通して14℃で湧き出ています。この湧水は1985年に名水百選に選定されました。
南阿蘇村両併にある湧水で、毎分120トンの湧出量を誇ります。
南阿蘇村中松にある湧水で、毎分5トンの水が湧き出しています。
白川の最初の大規模な河川改修は、肥後の統治者である加藤清正によって行われました。彼は白川を何度も往復し、治水工事を指揮しました。現在も一部の治水対策が有効に機能しています。
1953年6月26日、集中豪雨によって白川が氾濫し、熊本市内の広い範囲が床上浸水しました。この時、2ヶ月前の阿蘇山の噴火による火山灰も流れ込み、大きな被害をもたらしました。この水害は「白川大水害」として知られています。
平成24年の九州北部豪雨でも白川が氾濫し、大きな被害を引き起こしました。
白川の流域には、以下の自治体があります。
白川の支流や用水路には、次のものがあります。
白川水系では、以下の4つの水力発電所が稼働しています。
熊本県内で初の水力発電所計画が白川水系にもたらされたのは1894年で、当時の電力会社「熊本電灯」によるものでした。1909年に設立された熊本電気は、黒川発電所の建設に着手し、1914年に竣工しました。その後、黒川第一発電所の出力を増強し、複数の発電所が運転を開始しました。