満願寺温泉は、熊本県阿蘇郡南小国町に位置する歴史ある温泉地です。満願寺を中心に、古くからこの地に発展してきました。満願寺温泉は、自然豊かな環境と温泉街の情緒を感じながら、リラックスできるスポットとして知られています。
満願寺温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、効能は慢性関節リューマチや神経炎、疲労回復などが期待されます。源泉の温度は44℃で、心地よい温度での入浴が楽しめます。
満願寺温泉は、満願寺川沿いに広がる温泉街が特徴です。温泉街には宿泊施設が3軒、共同浴場が3つあります。共同浴場には「満願寺温泉館」、川沿いにある「川湯」とその上流100メートルにある「上湯」があり、特に「川湯」は川面と同じ高さに湯船があり、自然と一体となった風情を感じられます。なお、川湯は周囲からも見えるため、入浴には少し勇気が必要です。また、地元の方が野菜を洗うために利用する湯船も隣接しており、地元の生活に密着した温泉風景が広がっています。
満願寺温泉の歴史は、鎌倉時代に遡ります。小国郷(おぐにごう)は、鎌倉時代に北条氏の領地となりました。文永の役(1274年)での勝利を祈願し、鎮西奉行の北条時定がこの地に満願寺を建立しました。寺には国の重要文化財に指定されている北条時定や北条時宗(時定の弟と言われる)の肖像画、県指定重要文化財の仏像や古文書などが保管されており、室町時代の趣を感じることができます。また、九州最古の庭園とされる「満願寺庭園」や、北条時定、時宗、随時の墓なども残されています。
満願寺建立時に北条時定が植えたとされる「金毘羅杉」は、樹齢1000年を誇る巨木です。幹周り12メートル、樹高約30メートルにもなるこの大杉は、国の天然記念物に指定されており、歴史と自然の荘厳さを体感できる名所となっています。
満願寺温泉は、昭和39年(1964年)6月11日に厚生省告示第269号により、黒川温泉や田の原温泉と共に南小国温泉の一部として国民保養温泉地に指定されました。この指定により、多くの観光客が訪れる温泉地として発展してきました。
満願寺温泉の周辺には、自然や文化を楽しめるスポットが数多く存在します。以下は、満願寺温泉周辺のおすすめ観光地です。
満願寺温泉の中心に位置する「満願寺」は、その歴史的価値や文化財を楽しむことができる寺院です。参拝しながら、歴史に触れることができます。
温泉でリラックスした後は、自然に囲まれた「茶屋の原キャンプ場」でアウトドアを楽しむことができます。キャンプやバーベキューをしながら、家族や友人とのひとときを過ごせます。
南小国町には他にも有名な温泉地があり、「黒川温泉」や「杖立温泉」もその一部です。満願寺温泉と合わせて、異なる温泉を巡るのもおすすめです。
満願寺温泉へのアクセスは、車でも公共交通機関でも比較的便利です。
熊本駅や熊本桜町バスターミナルからは、九州横断バスに乗車し「満願寺入口」で下車します。また、JR九州豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス杖立温泉行きに乗車し、「ゆうステーション」で降り、小国郷循環バスなどに乗り換え「満願寺入口」で下車します。福岡方面からは西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナルから高速バス福岡 - 黒川温泉線に乗車し、「満願寺入口」で下車できます。
車を利用する場合、熊本インターチェンジから約55㎞、日田インターチェンジからは杖立温泉経由で約40㎞の距離です。無料の町営駐車場が温泉街から50メートルほどの場所にありますので、車でも気軽に訪れることができます。