阿蘇カドリー・ドミニオンは、熊本県阿蘇市に位置する、クマを中心に多種多様な動物を展示するテーマパーク型の動物園です。1973年にオープンし、以来、クマとのふれあいをメインテーマとして、多くの来園者に愛されています。また、テレビに出演する動物や、多彩なショーを提供することで、日本全国からの観光客を集めています。
阿蘇カドリー・ドミニオンでは、世界中の7種類のクマをはじめ、100種類以上の動物が飼育されています。特に、来園者がクマや他の動物たちと触れ合うことができる点が特徴的です。園内では動物福祉に配慮しており、獣医師が常駐しています。また、ペット同伴も可能で、家族連れや動物好きな方々にとって魅力的な施設です。
阿蘇カドリー・ドミニオンの創業者は北海道出身で、定山渓熊牧場でクマの生態を学んだ後、1973年に阿蘇山の採石場跡地を利用して開園しました。オープン当初は60頭のクマでスタートしましたが、後に400頭にまで拡大しました。園の中心には「十二支苑」があり、動物たちの鎮魂や創業者の祖先に対する敬意を込めて建設されています。これがきっかけとなり、クマ以外の動物も多く飼育されるようになりました。
「カドリー・ドミニオン」という名前は、英語の「cuddly」（抱きしめたいほどかわいい）と「dominion」（領土、領地）から来ています。この名前には、「抱きしめたくなるような動物たちがたくさんいる場所」という意味が込められています。
2004年にオープンした「みやざわ劇場」では、飼育員と動物たちが織りなす動物ショーが楽しめます。特に、テレビ番組にも出演していたチンパンジーの「パンくん」とブルドッグの「ジェームズ」が有名で、全国から多くの観光客が訪れました。
「ベアバレー」では、ガラス張りの橋とクマの洞窟があり、来園者はクマを間近で観察することができます。この施設は2011年にオープンし、多くの来園者に人気です。
2007年秋に開設された「チンパンジー学習の森」では、パンくんとその仲間のチンパンジーを観察することができます。また、ここではチンパンジーの行動や生態について学べる教育的なプログラムも提供されています。
阿蘇カドリー・ドミニオンでは、クマとの距離が非常に近く、来園者は子グマを抱っこしたり触れ合うことができます。この体験は非常に人気で、特に家族連れに好評です。
園内ではクマ以外にも、犬、ネコ、エミュー、カピバラ、ウサギなど、多種多様な動物と触れ合うことができます。また、動物への餌やり体験も可能で、動物たちとの距離が非常に近いのが魅力です。
阿蘇カドリー・ドミニオンの顔ともいえる存在が、チンパンジーの「パンくん」とブルドッグの「ジェームズ」です。2004年から始まった「みやざわ劇場」でのパフォーマンスで一躍有名となり、テレビ番組にも出演。これにより、園の入場者数は急増しました。現在、パンくんは引退しましたが、彼の功績は園の歴史に大きく貢献しています。
園では、アルパカの「チャオ」も人気です。彼は園内で最初に誕生したアルパカの赤ちゃん「ハート」の父親でもあり、2021年には第二子「エース」が誕生しました。現在、園内では4頭のアルパカが飼育され、来園者は散歩体験を楽しむことができます。
2014年の阿蘇山噴火や事故などで経営が悪化し、2016年に地域経済活性化支援機構に支援を申請しました。その後、熊本銀行とスターゲイトホテルがスポンサーとなり、経営再生のプロセスが進められています。園の再建に向けた努力は現在も続けられており、訪れる人々に喜びを提供し続けています。
阿蘇カドリー・ドミニオンは、JR九州豊肥本線の阿蘇駅から徒歩20分の場所に位置しています。公共交通機関を利用してもアクセスしやすく、観光客にとっても便利です。
車で訪れる場合、九州自動車道の熊本ICから国道57号を約33km進むと到着します。広い駐車場も完備しており、家族連れやグループでの来園にも対応しています。
熊本駅や熊本空港、大分市内から出発する特急バス「やまびこ号」を利用し、「カドリー・ドミニオン前」で下車することができます。また、阿蘇駅からもバスが運行しており、公共交通機関を利用する観光客にも便利です。
阿蘇カドリー・ドミニオンは、熊本県阿蘇市に位置するクマを中心とした動物園で、来園者に動物とのふれあい体験を提供しています。テレビ出演で有名になったパンくんやジェームズ、そして多種多様な動物たちが魅力的なこの施設は、家族連れや動物好きな方にとっても楽しめる場所です。今後も経営再生に向けた努力が続けられ、より多くの人々に愛される施設となることが期待されています。