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湯島(天草諸島)

(ゆしま)

湯島は、熊本県上天草市に位置する天草諸島の一つで、大矢野島と島原半島の間にあります。この島は、かつて天草郡湯島村(ゆしまむら)として存在していた地域でもあります。現在では、観光地としても注目されており、その独特の歴史や自然が魅力です。

概要

湯島は、大矢野町江樋戸港から約9km沖合の有明海に浮かぶ、周囲約3.5km、標高約100mの小さな島です。島の地形は平坦で、砂岩や泥岩の上に10mほどの玄武岩が積み重なった構造をしています。

談合島の別名

島原の乱(1637年)では、天草四郎をはじめとする一揆の首謀者たちが湯島に集まり、戦略を練ったことから「談合島(だんごうじま)」の別名でも知られています。この歴史的背景が、湯島を特別な存在としています。

猫島としての湯島

湯島は「猫島」としても知られており、2020年12月時点で約290名の島民に対して約200匹の猫が生息しています。島内の猫たちは大切にされており、一匹一匹に名前が付けられ、ワクチン接種などのケアも行われています。このため、猫好きには人気のスポットとなっています。

湯島の自然と観光名所

島にはアコウ樹の群生が広がっており、自然豊かな風景を楽しむことができます。さらに、1916年(大正5年)12月1日に初点灯された「湯島灯台」も島のランドマークの一つとして有名です。

歴史

湯島村の成立と変遷

幕末時点では湯島は天草郡上村に所属していましたが、1880年(明治13年)に上村から分立して湯島村が誕生しました。当時、戸数は320戸、人口は1608人でした。その後、1889年(明治22年)4月1日に町村制が施行され、湯島村は自治体として正式に成立しました。

1954年(昭和29年)4月1日、湯島村は登立町、上村、中村、維和村と合併し、大矢野町の一部となりました。その後、2004年(平成16年)3月31日に大矢野町は龍ヶ岳町、松島町、姫戸町と合併し、上天草市が発足しました。それに伴い、現在では上天草市大矢野町湯島となっています。

交通機関

島内の交通

湯島には公共交通機関は存在しません。島民は主にバイクを使って移動しています。島外との交通手段としては、上天草市の江樋戸港と湯島港の間を定期船が1日5往復運航しており、所要時間は約25分です。運賃は大人(中学生以上)で片道800円、小人は400円となっています。

江樋戸港へのアクセス

江樋戸港へは、熊本桜町バスターミナルや熊本駅から九州産交バス「あまくさ号」に乗車し、「さんぱーる」バス停で下車後、SUNまりんバス中循環線に乗り換えます。自家用車で訪れる場合は、九州自動車道の松橋インターチェンジから約35kmの距離です。

過去の交通事情

かつては、1962年2月から2007年9月まで、三角港への1日1往復の定期船が運航されていました。現在は三角港へはチャーター便としての運航が行われています。

主な施設

湯島の魅力

湯島は、歴史的な背景と自然豊かな風景、そして猫たちとの触れ合いが魅力的な観光地です。特に「談合島」としての歴史や、「猫島」としての特色が観光客の関心を引き、訪れる人々に独特の体験を提供しています。

江戸時代の「島原・天草一揆」から現代に至るまで、湯島は様々な変遷を経てきました。島の小さな面積にもかかわらず、その歴史的意義は非常に大きいものです。

Information

名称
湯島(天草諸島)
(ゆしま)

天草

熊本県