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牛深ハイヤ大橋

(うしぶか おおはし)

牛深ハイヤ大橋は、熊本県天草市の牛深湾に架かる全長883メートルの橋で、熊本県内で最長の橋です。地域の象徴として、観光地としても広く親しまれており、その美しいデザインと景観は多くの人々を魅了しています。

概要

牛深ハイヤ大橋は旧牛深市地域の牛深港に架かっており、全長883メートルの長さを誇ります。熊本県内で最長の橋として知られ、車道と歩道が高低分離された設計により、車からも歩行者からも美しい景観を楽しむことができます。また、この橋はくまもとアートポリス事業の一環として建設されており、牛深地域を代表する建築物となっています。

名称の由来

「ハイヤ」という名称は、地元の伝統的な「牛深ハイヤ節」という民謡に由来しています。この橋は、牛深地域の文化的な背景を反映し、その名が地域のアイデンティティを象徴しています。

設計と特徴

牛深ハイヤ大橋は、イタリアの著名な建築家レンゾ・ピアノの設計によるもので、彼の建築事務所であるRenzo Piano Building Workshop Japanと、岡部憲明、ピーター・ライスが共同で設計を担当しました。設計のコンセプトは「海上に浮遊する一本の線」であり、景観への配慮が重視されています。橋のデザインは、自然と調和するように工夫されており、単純な連続桁と最小限の橋桁で構成されています。

技術的な工夫

風による振動を抑えるために、フラップ(風除板)が採用されており、橋の下フランジには曲面が適用されています。これらの技術的な工夫は、構造上の課題解決だけでなく、デザインにおいても美しさを追求しています。橋梁形式は7径間連続鋼床版曲線箱桁であり、技術とデザインが見事に融合した橋です。

建設の経緯と構造

牛深ハイヤ大橋の建設は1991年11月に開始され、1997年8月に完成しました。P3橋桁のループ橋部分は1999年に竣工し、総工費は122億円でした。橋の両端はいずれも天草下島に接続していますが、中央部分にはループ構造の分岐交差点があり、これにより下須島とも接続しています。

構造の詳細

2021年の異音問題と修復

2021年8月、橋から異音がするという報告が住民から寄せられました。熊本県が調査を行ったところ、橋脚と橋桁を支える支承の破損が発見され、8月27日から橋は全面通行止めとなりました。その後、応急工事が行われ、自転車と歩行者の通行は再開されましたが、複数の支承が破損していることが判明しました。また、国土交通省による現地調査では、地震などによる横揺れ対策が不十分であると指摘され、工法の見直しが必要となりました。

通行再開

2021年12月24日に応急工事が完了し、車両の通行も再開されました。この一連の修復作業により、橋の安全性が向上しました。

受賞歴

牛深ハイヤ大橋は、その美しいデザインと優れた技術により、数々の賞を受賞しています。

観光地としての魅力

牛深ハイヤ大橋は、観光地としても人気があります。特に隣接する道の駅「うしぶか海彩館」からは、橋の美しい景観を楽しむことができ、多くの観光客が訪れます。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しむことができるため、カメラマンにも人気のスポットとなっています。

アクセス

橋へは、熊本桜町バスターミナルや熊本駅から九州産交バス「あまくさ号」に乗車し、「本渡バスセンター」で下車。さらに九州産交バス「牛深市民病院」行きに乗り換え、「牛深港」で下車すると便利です。また、車で訪れる場合は、九州自動車道の松橋インターチェンジから約112キロメートルの距離です。

Information

名称
牛深ハイヤ大橋
(うしぶか おおはし)

天草

熊本県