天草キリシタン館は、熊本県天草市に位置する市立の文化施設で、天草地方におけるキリスト教の歴史や文化を紹介しています。この資料館は、天草切支丹(キリシタン)に関連する歴史資料や展示品を数多く収蔵しており、訪れる人々に地域の豊かな歴史的背景を伝えています。
天草キリシタン館の中でも特に注目すべき展示品の一つが、国指定の重要文化財「天草四郎陣中旗」です。正式な名称は「綸子地著色聖体秘蹟図指物」(りんずじちゃくしょくせいたいひせきずさしもの)であり、天草四郎が使用したとされる旗です。この旗は、天草・島原の乱において、キリシタン軍の象徴として掲げられたもので、その宗教的・歴史的意義から非常に貴重な文化財とされています。
天草キリシタン館は、1966年(昭和41年)に開設され、キリシタンに関する歴史的資料を展示するための施設として誕生しました。館内では、キリスト教の伝来や南蛮文化、そしてその後の迫害、天草・島原の乱、隠れキリシタンの時代、そして乱後の代官による統治まで、幅広い歴史的な背景を紹介しています。各テーマごとに、当時の出来事や背景が詳細に説明されており、訪れる人々が深く理解できるようになっています。
2010年(平成22年)7月1日、天草切支丹館は「天草キリシタン館」として名称を変更し、リニューアルオープンしました。このリニューアルにより、館内の展示内容や施設のデザインが一新され、より魅力的で分かりやすい展示が行われています。また、これに伴い、新しい展示物や解説も追加され、より多くの来館者に天草のキリシタンに関する歴史を伝えることを目指しています。
天草キリシタン館は、熊本県天草市船之尾町19-52に位置しています。天草市の中心部にあり、アクセスも良好で、多くの観光客が訪れます。
開館時間は8時30分から17時までで、最終入館は16時30分となっています。火曜日が休館日となりますが、祝日にあたる場合は翌平日が休館日となります。また、年末年始の12月30日から1月1日までの期間も休館となります。
入館料は、一般が300円、高校生が200円、小中学生が150円で、団体割引も用意されています。また、特別展示の期間には追加料金がかかる場合があります。
特に、重要文化財である「天草四郎陣中旗」が公開されている期間中は、通常の休館日にも開館する場合があります。この期間中は多くの来館者が訪れ、天草キリシタン館の展示物を鑑賞することができます。
天草キリシタン館へのアクセスは、公共交通機関を利用することが可能です。熊本桜町バスターミナルや熊本駅から、九州産交バスの「あまくさ号」に乗車し、「本渡バスセンター」で下車します。その後、地域バス「のってみゅうかー」に乗り換え「船の尾」バス停で下車し、徒歩9分(約760m)で到着します。
車を利用する場合は、九州自動車道松橋インターチェンジから約72kmの距離にあります。駐車場も完備されており、ドライブでも訪れやすい場所です。
天草キリシタン館は、天草地方におけるキリスト教の歴史や文化に関する貴重な資料を展示する施設であり、国内外から多くの観光客が訪れる人気のスポットです。特に、天草四郎に関連する展示や重要文化財の公開時期には、多くの人々が歴史を感じるために訪れます。天草の歴史をより深く理解したい方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。