熊本の南関素麺は全国でも珍しい、機械を一切使わずすべて手作業と言う手延べ素麺。細く白く歯ごたえと品質の良さを南関町出身の詩人・北原白秋も愛したと言われている。300年の伝統を守り続けてきた本物・本場の味わいを楽しむことの出来る隠れた逸品だが、すべて手づくりの南関素麺は生産量も限られており通常の素麺とは違い大量生産がまったく出来ない商品で貴重品として扱われており、現在は約10軒が昔ながらの製法で作っている。
南関そうめんは、南関地域で古くから作られている手延べそうめんです。製造には小麦粉、塩、水を練り、天日で干す工程が含まれており、全てが手作業で行われるため、労力がかかり、大量生産が難しい特徴があります。このそうめんはゆでても弾力があり、シコシコとした食感が特徴です。南関そうめんには「曲げそうめん」と「白髪そうめん」の2つの種類があり、現在は「曲げそうめん」が主流です。一方、「白髪そうめん」は非常に細く作られ、熟練の技術を必要とするため、製造は限られています。
このそうめんの歴史は古く、約300年以上前に小豆島の人々が製法を伝えたと言われています。江戸時代には、熊本藩主の細川氏が将軍家に献上する土産として使用されました。最盛期には200以上の製麺所が存在し、長いそうめんを干す光景が見られましたが、現在はわずか数軒が古典的な製法を受け継いでいます。南関そうめんは高級品であり、お祝いの席やおもてなしの際に提供されていました。また、そうめんの製造時に生じる「ふし」と呼ばれる副産物も食べられ、異なる食感を楽しむことができます。
南関町出身の詩人北原白秋もこのそうめんを愛し、そうめんを干す様子を詩に詠んでいます。
製造方法は小麦粉、塩、水を練り、熟成させながら伸ばし、天日で干すプロセスを含みます。特に「白髪そうめん」は非常に細く延ばされるため、熟練の技術を必要とします。江戸後期には「曲げそうめん」と呼ばれる手法も登場し、2~3メートルに伸ばされたそうめんを曲げ枠と呼ばれる木枠に束ねて干す方法が開発されました。
南関そうめんは今でも贈り物として選ばれています。
南関そうめんはゆでて冷たくして食べるほか、温かい汁に入れて楽しむこともできます。ゆでる際には十分なお湯を使用し、ゆでた後にしっかりと水で洗い、食べる際は「南関ふしそうめんのあれかけ」が一つの選択肢です。