熊本県

南関あげ巻き寿司

(なんかん まきずし)

地域特産品の「南関あげ」で作る郷土料理

普通ののりでまく巻き寿司を「南関あげ」で巻いたもの。「南関あげ」とは、大豆をひきつぶして煮た汁で作った豆腐から独自の製法で作った地域特産品。水分をほとんど含んでいないため日持ちがよく、常温での保存が可能。煮ると柔らかく、よく味がしみこむ。常温で日持ちがするので、各家庭では常備して、味噌汁をはじめ色々な料理に使う。その代表的な料理が「南関あげ巻き寿司」で、昔から地元のもてなし料理として作られている。

歴史、由来、関連行事
「南関あげ巻寿司」は、江戸時代から伝わる南関町特産の「南関あげ」を使用した寿司の一種です。南関町ではこの寿司が非常に愛され、南関町の代表的な巻き寿司と言えます。

南関あげは、1枚が20~30cm四方もあり、カリカリサクサクとした特徴的な油揚げです。作り方は、豆腐を圧縮し、水分をしっかりと切った後、低温と高温の油で2度揚げすることで作られます。この過程によって水分がほとんどなくなり、冷暗所で保管すると2~3カ月間、常温で保存できる保存食となります。南関地域では「出汁あげ」とも呼ばれ、みそ汁や煮物には欠かせない具材として使用されます。

「南関あげ巻き寿司」は、南関あげを油抜きし、出汁、醤油、砂糖などで甘辛く煮たものを海苔の代わりに使用します。この煮汁をしぼった後、寿司飯を広げ、しいたけ、人参、卵焼きなどの巻き寿しの具材を巻いて作ります。海苔と異なり、ご飯にしっかりとくっつき、巻き終わりをしっかりと締める技術が必要です。これらの寿司は手作業で作られ、飲食店や惣菜店でも提供されています。南関あげが煮汁を吸収し、ふっくらとジューシーでもちもちとした食感を持つ特徴があります。

食事の機会と季節
「南関あげ巻寿司」はお祝い事などの特別な機会だけでなく、日常の食事でも楽しまれています。見た目が美しく、子供たちにも喜ばれる味わいから、運動会のお弁当などにもよく登場します。巻く具材は季節によって異なり、夏にはきゅうり、冬にはほうれん草などが使われることもあります。

食べ方
巻き寿司飯を熱湯で温め、しぼった南関あげを広げ、その上に酢飯を薄く重ねます。寿司ネタを真ん中に配置し、約2cmの幅に切って食べます。

Information

名称
南関あげ巻き寿司
(なんかん まきずし)